観音寺山は山中のあちらこちに観音寺城の施設と見られる遺構が残っています。特に石寺側山裾の景清道とバンタ坂周辺の遺構には手付かずのような状態で残っているものも多く、当時を偲ばせる古い石作りの風景を楽しむ事ができます。この付近には、犬追物の練習場であったとされるイノバンバや教林坊があります。
なお、写真は 2008年に撮影したものです。当時は以下のルートを辿りましたが現在では通行できないところもありますので、教林坊を起点に散策される事をお奨めします。また右下の図には源三谷までのルートが示されていますが写真は観音谷で終わっています。
また観音寺城と佐々木六角氏については、観音寺城|近江源氏 佐々木六角、埋蔵文化財活用ブックレット11 – 観音寺城跡 等に解説がありますので併せてご覧ください。
散策ルート
景清道は、平景清が尾張から京都に向かう時に通った道とされていますが、観音寺城域においては山上に向かって延びる複数の登城道を結ぶ道として、非常に重要な道であったと思われます。例えば景清道を辿ると、道沿いに多くの武家屋敷や寺院あとが見られるだけでなく、山上に延びる 5 本の道筋の入り口に出会います。このため山城ファンにとっては、山上に向かう旧道を探すのに大変便利な道でもあります。
道筋の様子
観音正寺参道の入り口手前から。右手前方に石寺楽市物産館。今回もここから出発。まずは、観音正時参道からバンタ坂に入り、道草をしながら教林坊裏手あたりまで歩く。
バンタ坂の入り口。
バンタ坂に入るとすぐに下の平地につながる石積みのスロープがある。下の平地に降り、スロープと道を見上げたところ。
石垣の上は屋敷跡。ところどことに山上方向に向かう道がある。
同じような道がしばらく続く。道の山側には石垣が続いているが崩れているところが多い。周囲は竹薮。雑木が混生しているところも多い。
住宅地に抜ける直前。住宅が見え始める。
住居も小屋も庭も畑も、ここでは何もかもが石垣の上にある。
少し歩いて振り返る。ここでは何もかもが石垣の上にある。
左折し山側の道に出る。
古い時代の暗渠も現役
さらにこの舗装された道を前進。
この先もうすこしで行き止まり。
石垣の上にのぼり民家方向(来た道)を見る。
最後の民家の角で振り返る。
向かいの田のあぜ道から見る。
行き止まり直前の石垣。石垣手前には石段がある。石段を上らず直進するとこの石垣の端から数メートルで道は行き止まり。
石垣手前の石段を上り山中に入ると、そこにはまた石垣。きりが無いので左手に折れ教林坊方面に向かう。
教林坊の入り口付近に到着。
教林坊の入り口の案内板。
門をくぐる。
門の先はこんな道。教林坊には入らず、この周辺を徘徊。
道沿いの川はお茶子谷から水が流れてきている。
水路の上流は暗渠になっている。
前に見える橋を渡り、左手方向に下りると、石垣で固められた一角がある。このまわりを一周してみる。
水路にかかった橋の手前から。
下りきったところで来た道を振り返る。
一角の裏側の道を上る。この道は赤坂道。この先で観音正寺参道に合流する。
手入れされておらず荒れ放題。
見覚えのある、教林坊の裏手付近に出る。
景清道に出て、教林坊近くで柵の切れ目から教林坊を覗く。
ここは景清道。道の右側は教林坊を囲む柵。
石段のある左側の平地は墓地になっている。景清道はこの先、観音谷、源三谷方向に延びている。
教林坊の柵の反対側から山手方向に延びた道に入ると、前方右手に立派な石垣が見える。この先は倒れた竹で道が塞がっているが、踏み越えて無理やり進むとお茶子谷筋に入れる。おそらくここがお茶子谷筋への正しい入り口。地図によるとこの石垣で囲まれた区域は青地邸。
景清道に戻る。道沿いに石垣が続いており、その石垣の一部に入り口らしき穴がある。
中を覗いたところ縦も横も埋まっている。
道沿いには屋敷跡の石垣が続く。道の周りは竹林で、雑木が混生しているところも多い。
さらに景清道は続く。
観音谷近くで振り返る。
観音谷直前。景清道を示す案内板と橋。
少し進むと畑地になっている広場に出る。地図によるとここは古観音堂跡。
棚田のように積み重なった畑地の側面は石垣で固められている。
景清道は観音谷・源三谷を経てえ延々と続くが、観音谷から引き返した。来た道を戻り教林坊の裏を通り過ぎて、観音正寺参道の手前までまで辿り着いたところ。
観音正寺の参道に合流。
ついでに、観音寺山を望む石寺地区の美しすぎるコスモス畑。10 月中旬の風景。かつては厳しい戦いの場であった観音寺城と、心を和ませるコスモス畑との絶妙な組み合わせ。 赤、白、ピンク、紫の 4 色の花がバランス咲きそろっていて大変美しい。地元の方々の心遣いとご苦労に感謝!
ちなみに、「コスモスの種類」で検索て調べたところコスモスの品種は、センセーションまたはベルサイユの色違いのようですが、紫色については不明。
雪野山♡しもはねだ里山天国について